ペッパーミルポーズの基本的な動作は極めてシンプルです。左手を下にして筒状のミルを持ち、右手を上にして時計回りにゴリゴリと2〜3回力強く回す仕草を行います。大谷選手やヌートバー選手は、胡椒を挽き終わった後に指先でつまんで料理に振りかけるようなユーモアあふれるアレンジを加えることもありました。
しかし、このポーズが持つ本質的な価値は、そのコミカルな見た目以上に込められた英語の「Grind(グラインド)」という概念にあります。
「Grind」には「穀物や胡椒を細かく挽く・すり潰す」という直接的な意味のほかに、スラングやスポーツ用語として「地道に骨を折って働く」「苦境でも粘り強くコツコツやり抜く」という深いニュアンスが存在します。派手なファインプレーや本塁打だけでなく、四球を選んだり進塁打を打ったりする泥臭い自己犠牲をチーム全員で称え合う合言葉でした。
個々のスーパースターが集まった代表チームにおいて、「チームのために泥にまみれて役割を果たす」というGrindの精神は、強固な結束力を生み出す最大の触媒として機能したのです。