代理人たちが高級ホテルのスイートルームで連夜の舌戦を繰り広げるストーブリーグを経て、日本人選手たちを取り巻く環境は激変した。新たなメガディールを結んで新天地へ渡った注目株から、ポジション争いに鎬を削る若手まで、生き残りを懸けたサバイバルは苛烈を極める。
「言葉の壁や移動の過酷さは言い訳にならない」。遠征先のスプリングトレーニング施設で、ある日本人野手は淡々と語った。アメリカ大陸を東西南北へ飛び回る過密日程、時差ボケとの戦い、そして容赦ない地元メディアの論評。莫大な年俸の裏側には、己の肉体と精神を極限まで削り続けるプロフェッショナルの矜持がある。