なぜ銀座の路地裏に、新札混じりの現金1億円が風呂敷や紙袋に包まれて放置されていたのか。物語としてのドラマ性を超え、これは第一級の実録クライムサスペンスである。当時、警察や金融関係者が札番(紙幣番号)の追跡を行ったものの、資金の流出元を特定することはできなかった。あるいは「あえて特定しなかった」という噂すら都市伝説のように囁かれている。
裏社会の闇ルートから溢れ出た裏金だったのか、あるいは政財界に繋がる極秘資金だったのか。落とし主が名乗り出れば、その資金の出所を厳しく追及され、より巨大な犯罪が暴露されるリスクがあった。それゆえに「現金1億円を棄てる」という選択肢しかなかったという仮説は、今なお高いリアリティを持って語られている。