古来、日本人は季節の移り変わりを二十四節気という細やかな目盛りで捉えてきた。その一番最後に位置する大寒は、一年のうちで最も水分が凍てつき、厳しい寒さが極まる節目である。現代の近代化された養鶏産業においても、この極寒期における鶏の管理には並々ならぬ神経が注がれている。
寒さの中で鶏は体温を保つために通常以上にエサを食み、体内にエネルギーをたっぷりと蓄え込む。水を飲む量が減り、養分が凝縮された結果として産み落とされる卵は、白身も黄身も驚くほど盛り上がり、濃厚なコクを放つ。自然の過酷な環境と養鶏家の弛まぬ努力が交差するポイントに、この奇跡の一粒が誕生する。