インターネットのQ&AサイトやSNS上では、「大社は大神社だから、普通の神社よりも願い事が叶いやすい」「大社でない神社はランクが低い」といった短絡的な言説が見受けられます。しかし、これは神道の教理および現代の神社制度に対する重大な誤認です。
第一に、現代の神道において神様の霊験やご利益に上下関係はありません。大社が多くの参拝者を集めるのは、広大な神域や歴史的建造物、長年にわたる国家や大名家からの崇敬実績といった「歴史の蓄積」があるためであり、地域の氏神様が大社の神様より劣っているということは決してありません。
第二に、「大社を名乗っていないから格式が低い」というのも誤りです。例えば、福岡県の「太宰府天満宮」や京都府の「北野天満宮」は全国天満宮の総本社格ですが、社号は「天満宮」を用いています。また、日本屈指の格式を誇る京都の「伏見稲荷大社」と並び称される「八坂神社」や「上賀茂神社・下鴨神社(賀茂御祖神社)」は、社号として「大社」を選ばず、古来の伝統的な「神社」の呼称をあえて維持しています。
社号はあくまでその神社が歩んできた歴史的アイデンティティや祀る神の性格を示すものであり、絶対的な優劣の序列を示すものではないという事実を押さえておく必要があります。