この巨大な餃子が生まれた舞台は、1980年代の東京都大田区だ。当時、区内の小中学校で子どもたちの給食作りに情熱を注いでいた栄養士の今井敬子氏らの発想がきっかけとなった。手作業で何百個もの小さな餃子を包む調理現場の負担を軽減しつつ、子どもたちに驚きと食べる喜びを届けたい。そんな現場の知恵から、通常の3倍以上はある直径15センチの特注皮を使った超大型餃子が考案されたのだ。
釜の油に投入された巨大な餃子は、きつね色に揚がると香ばしい匂いを全校に漂わせた。配膳台に置かれた瞬間の歓声と、パリッとした皮を噛みちぎった時に溢れ出る肉汁。この「揚げ餃子」スタイルは瞬く間に大田区中の学校へ広がり、子どもたちの記憶に強く刻まれる看板メニューへと成長を遂げた。