大腿骨頸部骨折の人工骨頭置換術とは?手術時間・入院期間と脱臼リスク

大腿骨頸部骨折の人工骨頭置換術とは?手術時間・入院期間と脱臼リスク

大腿骨頸部骨折の人工骨頭置換術とは?手術時間・入院期間と脱臼リスクの基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

大腿骨頸部骨折の治療法には、骨の折れ方や患者の活動度に応じて主に3つの術式が存在します。それぞれの特徴を整理した比較表は以下の通りです。

治療法・術式適応となる患者の状態メリット・特徴注意点・デメリット人工骨頭置換術(BHA)75歳以上の高齢者、骨のズレが大きい骨折(Garden分類 Stage III/IV)手術翌日から全荷重歩行が可能。手術時間が短く出血量が少ない。術後の脱臼リスク(特に後方アプローチ)。骨盤側の軟骨摩耗。骨接合術(スクリュー固定)65歳未満の若年層、またはズレのない不全骨折(Garden分類 Stage I/II)自身の骨を残せる。身体への侵襲(傷口)が最も小さい。骨癒合不全(骨がつかない)や後発的な大腿骨頭壊死による再手術リスク。全人工股関節置換術(THA)日常的に活動性が高い高齢者(60〜70代)、変形性股関節症を合併している例長期的な股関節機能が最も良好。骨盤側の痛みが出にくい。人工骨頭より手術難易度が高く、手術時間・出血量がやや増加する。

骨のズレが少ない場合は自身の骨を温存する骨接合術との違いが際立ちますが、高齢者の完全骨折に対して骨接合術を行うと、後から骨頭壊死を起こして再手術になる確率が20〜30%に上ります。そのため、一回の手術で確実に歩行機能を回復させられる人工骨頭置換術が選ばれます。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。