視聴者アンケートやSNSでの反響を分析すると、支持を集める親方には明確な特徴が存在します。専門用語を日常の言葉に置き換えて論理的に紐解く「言語化能力の高さ」と、力士への深い愛情を前提とした「忖度のない本音解説」です。
現在、大相撲の解説者としてわかりやすいと圧倒的な支持を集めているのが、二所ノ関親方の解説です。元横綱・稀勢の里である親方は、力士の立ち合いの角度、踏み込みの深さ、重心の移動を力学的に説明します。「なぜ負けたのか」「どうすれば防げたのか」を瞬時に因果関係で解説するロジカルな語り口は、相撲初心者から長年の好角家まで唸らせる説得力を持っています。
一方、外国人出身横綱として初の部屋創設を果たした音羽山親方の大相撲解説も評判が急上昇しています。元横綱・鶴竜ならではの冷静沈着な観察眼と、外国出身者ならではの客観的で丁寧な日本語表現が特徴です。感情に流されず、両力士の駆け引きをチェスのように解読していく知的なスタイルは、中継に上質な落ち着きをもたらしています。
情熱的な語り口でファンを惹きつけるのが、元大関・琴奨菊の秀ノ山親方の解説です。代名詞であった「がぶり寄り」に代表される四つ相撲の技術論はもちろん、土俵に上がる直前の力士の表情や心理状態を元力士の目線から熱量高く解説。「力士の背中を押すような温かいエール」と「技術的な急所の指摘」が絶妙なバランスで同居しています。
そして、「毒舌」「辛口」の枠で強烈な存在感を放つのが、元大関・豪栄道の武隈親方の大相撲中継です。現役時代の真っ向勝負そのままに、消極的な相撲や安易な変化に対しては「あんな相撲を取っていては上に行けない」「稽古が足りていない」と鋭く切り捨てます。しかし、その根底には相撲道に対する厳格な美学と力士への期待があり、大相撲の毒舌解説者として最高に面白いとSNSでもたびたびトレンド入りを果たしています。