本場所の取組が進み、幕内の土俵入りが終わる中入り後の時間帯になると、館内にアナウンスが流れ、吊り屋根垂れ幕が静かに下ろされます。会場全体から自然と拍手が沸き起こる名シーンです。
この垂れ幕が出た日には、日本相撲協会から関係者一同へ「大入り袋」が手渡されます。配られる対象は現役の関取や幕下以下の力士はもちろん、親方衆、行司、呼出、床山、さらには警備員や取材記者、売店のスタッフに至るまで、興行を支えるあらゆる関係者に及びます。
気になる大入り袋の中身ですが、実は高額な金銭ではなく「10円・50円・100円」といった硬貨が包まれています。かつてはご縁にちなんで「五円玉」が使われることも多くありました。これは実質的な報酬というよりも、「おかげさまで大入りとなりました」という感謝と、商売繁盛を祝う満員御礼大相撲金一封としての縁起担ぎの意味合いが強く込められています。