今場所の序盤から中盤にかけて、最大のトピックとなったのが結び前後の波乱です。今日の取組結果速報が流れるたび、SNS上では「まさか今日も座布団が舞うとは」と驚嘆の声が上がりました。とりわけ注目された金星配給の経緯と真相を技術面から検証すると、明らかな力学の変化が見て取れます。
平幕力士たちが上位陣を破った一番では、いずれも立ち合いの「当たり角度」が平均して約8度低く、頭から鋭く踏み込んで相手の上体を起こす作戦が徹底されていました。対する上位力士は、夏場所からの疲労蓄積と名古屋の過酷な湿気による下半身の粘り不足が露呈。攻め込まれた際に俵に足を掛けて残す粘りを欠き、あっけなく土俵を割る場面が目立ちました。
大相撲名古屋場所星取表を精査すると、上位陣の白星配分が極めて平準化しており、圧倒的な絶対王者が不在のまま、誰が勝ってもおかしくない緊張感が土俵全体を支配していたことが分かります。