ネット上の相談窓口やSNSを調査すると、毎年春から初夏にかけて「親から突然激怒された」「会社から過年度の追徴課税を請求された」という現役大学生の投稿が急増します。その大半が、制度の無知による「うっかり超過」です。
特に多発しているのが、大学生バイト掛け持ち扶養控除の計算ミスです。例えば、A社で年60万円、B社で年50万円を稼いだ場合、各バイト先単体では103万円以下であるため、店舗側から警告されることはありません。しかし、税務当局から見れば合算年収は110万円であり、103万円の枠を7万円超過しています。
各勤務先は毎年1月末までに、従業員へ支払った給与額を記載した「給与支払報告書」を各自治体へ提出します。自治体の税務課でマイナンバーや氏名・住所をもとに名寄せが行われ、春先には子どもの所得超過が把握されます。その結果、5月〜6月頃に親の勤務先へ「扶養控除の是正通知」が届き、会社経由で過去1年分の所得税追徴と住民税の増額決定が下されるのです。
もう一つの典型的な落とし穴が、大学生扶養控除年末調整書き方における申告ミスです。親が秋に勤務先へ提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」において、子どもの年間所得の見積額を「48万円以下(給与年収103万円以下)」と記載して提出していたにもかかわらず、子どもが12月に駆け込みでシフトを入れて年収103万円を突破してしまうケースです。この虚偽申告状態は翌年のデータ照合で確実に露見します。