大野智のダンスといえば、力みを感じさせない「無重力」とも称されるステップや軸のブレないターンが代名詞ですが、その洗練された動きを決定づけているのが指先への意識です。どんなに激しい振り付けであっても、彼の指先は決して脱力しすぎず、かといって硬直することもなく、ミリ単位で弧を描くようにしなやかにコントロールされています。
楽曲のクライマックスで天を仰ぐ際の手の開き方や、マイクを持ち替えながら指先でリズムを刻む細やかなニュアンスは、ステージ全体のクオリティを一段引き上げる役割を果たしていました。嵐のメンバーも過去のインタビューで大野のダンススキルの高さをリスペクトを込めて語っており、指先まで神経を行き届かせるプロフェッショナルな姿勢は後輩アイドルたちにも多大な影響を与えています。
計算し尽くされた技術でありながら、それを感じさせず極めて自然に見せる表現力。その神髄がまさに彼の「指先の軌道」に宿っていました。