劇団ひとりの才能を語る上で欠かせないのが、映画監督としての圧倒的な実績だ。2014年に自身の書き下ろし小説を実写化した映画『青天の霹靂』で商業映画監督デビューを果たし、高い構成力と人間ドラマの演出力で映画ファンを唸らせた。
さらにその評価を不動のものとしたのが、Netflixで全世界に配信された映画『浅草キッド』である。ビートたけしの青春時代と師匠・深見千三郎の絆を描いたこの作品は、日本国内にとどまらず世界的な大ヒットを記録。情熱とノスタルジーが濃密に詰まった映像美は、彼が本物のフィルムメイカーであることを証明した。
メガホンを取る期間、劇団ひとりは作品の世界観に深く潜り込み、精神的にも極限状態に追い込まれるという。その孤独な創作期間を陰ながら支えたのが大沢あかねだった。クリエイターとしての苦悩を理解し、日常の平穏を保ち続ける彼女の存在があったからこそ、数々の名作が世に放たれたと言っても過言ではない。