昭和のプロ野球中継を振り返ると、秋口のペナントレース終盤にはダブルヘッダーが頻繁に行われていました。伝説の「1988年10月19日 近鉄バファローズ対ロッテオリオンズ(通称:10.19)」のように、優勝を懸けた死闘がダブルヘッダーで繰り広げられた歴史はファンの間で今なお語り継がれています。
しかし、現在の日本プロ野球(NPB)の一軍公式戦ではダブルヘッダーの開催は事実上消滅しています。最後に一軍で実施されたのは1998年10月10日の横浜ベイスターズ対中日ドラゴンズ戦(横浜スタジアム)まで遡り、25年以上も開催されていません。これほどまでに激減した背景には、日本のプロ野球を取り巻く明確な環境変化があります。
最大の要因は、全国的なドーム球場の普及です。天候に左右されない試合開催が可能になったことで、シーズン全体の雨天中止数が劇的に減少しました。さらに、日本プロ野球選手会(労働組合)との取り決めにより、過酷な連続試合による故障リスクの回避や、選手のコンディション管理が最優先される時代へとシフトしたことも大きな理由です。加えて、テレビ放映権や球場の観客完全入替にかかるオペレーションの難しさ、予備日程(予備日・クライマックスシリーズ前の調整日)の事前確保が徹底された結果、NPBでは「日程が詰まってもダブルヘッダーは組まない」という運用が定着しました。