国立代々木競技場を語る上で外せないのが、世界的建築家・丹下健三による構造美学です。2本の主柱から張り巡らされた極太のワイヤーケーブルで屋根全体を吊り下げる「高張力ケーブル構造」を採用しており、客席内に視界を遮る柱が一本も存在しません。
近代建築としての評価は極めて高く、2026年には国の重要文化財に指定されました。2本の巨大なメインロープが描くカテナリー曲線(懸垂線)は、外部から見たときの優美なシルエットを形成するだけでなく、内部空間にダイナミックな広がりをもたらしています。
また、音響特性に関しても、かつての「反響が強すぎる」という課題は改修工事や最新の音響PAシステムの進化によって大幅に改善されました。ダイナミックな低音の抜けとクリアなボーカル再生が両立されており、国内外のトップアーティストが代々木第一体育館のライブ日程を好んで組み続ける理由がここにあります。