麻生太郎氏の母方にあたる血脈は、まさに近代日本の国家形成そのものです。麻生氏から見て高祖父(曾祖父の父)にあたるのが、西郷隆盛・木戸孝允とともに「維新の三傑」と称された大久保利通です。
大久保利通の次男である牧野伸顕は、外交官としてパリ講和会議で全権を務め、内大臣として昭和天皇の側近を務めた重鎮でした。この牧野伸顕の娘・雪子氏が嫁いだ相手こそが、戦後の混乱期に5度にわたり内閣を組織した吉田茂元首相です。つまり、麻生太郎氏にとって吉田茂氏は母方の祖父にあたります。
吉田茂氏と雪子夫人の間に生まれた三女・和子氏が、九州の麻生家に嫁ぎました。母・和子氏は麻生太郎氏の政治センスや国際感覚の形成に決定的な影響を与えたと言われており、若き日の麻生氏が祖父・吉田茂元首相の身の回りの世話をしながら、国際情勢や国家観の薫陶を直接受けたエピソードは有名です。明治の夜明けを切り拓いた大久保利通のDNAと、焦土からの復興を指揮した吉田茂のリアリズムが、麻生太郎という政治家の根底に色濃く受け継がれています。