単独世帯の生活実態を読み解く上で欠かせないのが経済力です。総務省の家計調査などの各種統計をもとに推計すると、単独世帯の平均年収は約320万〜360万円の水準で推移しています。ただし、この数値は現役世代から年金受給世代までを合算した平均値であり、年齢階層ごとに激しい格差が存在します。
20代〜40代の現役世代では、正社員として安定した収入を得て自由な支出を楽しむ層がいる一方、非正規雇用の拡大に伴い年収200万円未満で切り詰めた生活を強いられる単身ワーキングプア層も少なくありません。住居費や光熱費などの固定費をすべて1人で負担しなければならないため、世帯人数が多い家庭に比べて生活コストの負担割合(エンゲル係数など)が高くなりやすい構造的ハンディキャップを抱えています。
さらに深刻なのが65歳以上のシニア単独世帯です。主な収入源が公的年金のみとなる世帯では、年間収入が150万〜200万円程度にとどまるケースが多く、特に基礎年金(国民年金)中心で暮らす高齢単身女性の相対的貧困率は極めて高い水準にあります。将来の医療・介護費用の備えが不足している単身者の多さは、将来的な生活保護受給の増加懸念とも直結しています。