現在、淡路お菓子館の跡地はどうなっているのか。現地を調査すると、巨大な看板やかつての観光客を出迎えた建物は既に撤去または大幅に改修され、当時の面影を偲ばせる要素はほとんど残されていません。敷地は更地化されたのち、一部は地域インフラや民間事業者の事業用地・保管スペースなどに転用されるなど、日常の風景の中へと完全に溶け込んでいます。
SNSやネット掲示板に投稿されている利用者の声を検証すると、今なお色濃い郷愁が伺えます。
「子どもの頃、夏休みに淡路島へ行くと必ず立ち寄った。大きなせんべいの試食を頬張りながら、親にねだってびわのお菓子を買ってもらったのが懐かしい」(40代・会社員)
「修学旅行のバスガイドさんが『次はお菓子館ですよ』と案内してくれて、友だちと小遣い片手にお土産を買い漁った思い出。閉店していたと知って本当に寂しい」(30代・主婦)
一方で、地元で長年商売を営む関係者からは冷静な声も聞かれます。「明石海峡大橋ができて島が便利になった反面、車が止まらずに素通りするようになった。お菓子館だけでなく、フェリー乗り場周辺の飲食店や土産物店も一気に姿を消した。あの時代は淡路島が劇的に変わる過渡期だった」と、インフラ革命の光と影を生々しく振り返っています。