野草を採取して食すうえで、最も警戒しなければならないのが有毒植物との誤認です。スベリヒユと生育環境や草姿が非常によく似ている植物に、トウダイグサ科の有毒雑草「コニシキソウ」が存在します。
誤食を防ぐ最大の識別ポイントは「茎をちぎったときに出る液体の色」です。スベリヒユの茎を折ると透明な水分がにじみ出ますが、コニシキソウの茎を折ると真っ白なミルク状の乳液が溢れ出ます。この白い樹液には毒性成分が含まれており、皮膚炎や激しい胃腸障害を引き起こすため、白い液体が出たものは絶対に口にしてはなりません。
また、葉の形状にも明確な差異があります。スベリヒユの葉は肉厚でツヤがあり、へら状で斑点はありません。一方のコニシキソウは葉が薄く、中央に赤黒い斑点が入っているケースが大半です。茎の表面も、スベリヒユは太く滑らかですが、コニシキソウは細く細毛が生えている点で見分けられます。
もう一つの注意点として、生食の危険性が挙げられます。スベリヒユにはホウレンソウと同様に「シュウ酸」が多く含まれており、生で大量に摂取するとえぐみが強いだけでなく、尿路結石のリスクを高める要因となります。さらに野外の土壌由来の細菌や寄生虫リスクを排除するためにも、基本的には加熱処理を行ってから食すのが鉄則です。