稲田豊史とは何者か?『映画を早送りで観る人たち』の真意と現在地

稲田豊史とは何者か?『映画を早送りで観る人たち』の真意と現在地

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数多くの論考を発表し続けるなか、稲田豊史 評判はどのように推移しているのでしょうか。出版界やネットコミュニティ、SNSでの反応を精査すると、共感と激論の双方が渦巻いている実態が浮かび上がってきます。

まず圧倒的に多いのは、長年抱えていたモヤモヤを言語化してもらったことへの賛意です。

「自分もNetflixを1.5倍速で観ていて、どこか作り手に後ろめたさがあった。だが、稲田氏の著作を読んで、これは個人の感性の問題ではなく、SNSで繋がる社会構造そのものの病理だと腑に落ちた」(30代・IT企業勤務)
「現代カルチャーの『鑑賞から消費への堕落』をこれほど解像度高くまとめた本はない。説教臭くなく、データと当事者の声で語られているから説得力が違う」(40代・出版関係者)

その一方で、映画ファンやクリエイター界隈からは、時に鋭い議論が巻き起こることもありました。

「倍速視聴を肯定的に受け止めすぎではないか。作品のリズムや間(ま)を無視した鑑賞は、もはや作品体験とは呼べないのではないか」といった、オールドスクールな芸術至上主義からの反論です。しかし、そうした批判に対しても稲田氏は各種インタビューで「自分自身も等倍で観るべきだと考える側の人間であり、現状を歓迎しているわけではない。しかし『なぜ起きているのか』を直視しなければ対策も打てない」と冷静に応答しています。

また、稲田豊史 コラムの愛読者からは、「文体が軽妙で皮肉が効いており、かつ取材相手へのリスペクトを欠かさないバランス感覚が心地よい」という声が多数寄せられています。単なる評論家にとどまらず、取材対象と対話を重ねる現場記者としての誠実さが、長年の信頼を獲得している要因です。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。