一般的な土産物と「道の駅記念切符」を隔てる最大の分水嶺は、すべての券面に機械で正確に打刻された「シリアルナンバー」の存在だ。鉄道の硬券製造ラインで作られるこの切符は、発行番号が0001番から順番に販売され、途中の抜き取りや番号の意図的な操作が原則として禁止されている。この厳格なナンバリング管理が、コレクター心理に火をつけている。
市場で最も激しい争奪戦が繰り広げられるのが、シリアルナンバーのゾロ目(「7777」「1111」など)や、節目となる「キリ番」(「1000」「5000」など)、そして各駅の第1号となる「0001」番である。二次流通の相場データを検証すると、一般的な通常番号が1枚300円〜500円程度で推移するのに対し、人気のゾロ目は1万円〜2万5,000円前後まで跳ね上がる事例が確認されている。
さらにコレクターを熱狂させるのが、発行元が意図的に混入させる「特殊仕様券」の存在だ。業界で知られる代表格が、通称「道の駅記念切符 ゴールド」と呼ばれる金文字・金枠仕様の券だ。一定の発行枚数ごとに1枚だけ紛れ込むように出荷されるため、購入時に手元に渡されるまで当たるかどうかわからない。このブラインド性が射幸心を刺激し、メルカリ相場では1枚あたり1万5,000円〜3万円で即完売するケースが散見される。
加えて見逃せないのが、周年イベントやリニューアル時に数量限定(100枚〜300枚程度)で無償配布される「特別記念きっぷ」だ。通常きっぷを一定数購入した者や、館内で特定金額以上を消費した来訪者に先着順で配られるため、配布当日の早朝から道の駅に行列ができることも珍しくない。配布終了と同時に現地でしか手に入らなくなる不可逆性が、価格高騰に拍車をかけている。