ネット上の情報には、読者の射幸心を煽る偏った記述が少なくありません。最も流布している誤解が「道の駅きっぷを集めれば誰でも副業として儲かる」という言説です。結論から言えば、この認識は完全に誤りです。
第一の盲点は「移動コストと期待値の著しい乖離」です。レア券を引き当てるためにマイカーで何百キロも移動し、高速道路料金とガソリン代を費やしても、手に入るのは1枚200円のきっぷです。仮に3,000円で売れる金文字券を引き当てたとしても、遠征にかかった交通費を回収することは論理的に不可能です。純粋な転売ビジネスとして見れば、極めて効率の悪いマイナスサムゲームと言えます。
第二の落とし穴は「保管状態による減額リスク」です。硬券はパルプ密度の高い厚紙で作られていますが、日光の紫外線に晒されると数カ月で表面が退色します。また、素手で触れた皮脂が酸化して生じる黄ばみや、角のわずかな折れ(角落ち)があるだけで、コレクター市場における評価額は半額以下に急落します。「買ったままダッシュボードに放置していたきっぷ」には、ほぼプレミア価値は残りません。
さらに、フリマアプリでのトラブルも増加しています。出品画像では美品に見えても、届いた現物は日付印のインクが擦れていたり、裏面に傷があったりしてトラブルに発展するケースが後を絶ちません。公認の流通ルート以外で入手を試みる場合、こうしたリスクを背負い込むことになります。