作中で屈指の不気味さを放つ柚木つかさの正体ですが、物語が進むにつれて「単なる人間の亡霊ではない」という戦慄の背景が判明しました。発端は、生前の彼らがまだ4歳だった頃にまで遡ります。
当時、兄の柚木普は重篤な病を患っており、幼くして命を落とす運命にありました。兄を誰よりも慕っていたつかさは、実家の床下に口を開けていた不気味な「家の穴」に宿るナニカ(願いを叶える神霊のような強大な怪異)と接触します。つかさは「兄の病気を治してほしい」という願いを叶える代償として、自らの命と魂をその穴へと捧げました。
奇跡的に普の病気は完治したものの、穴から戻ってきたつかさは、生前本来の無垢な弟ではなく「穴の底にいた怪異の依代となり、人ならざるナニカが混ざり合った存在」へと変貌していました。本物の柚木つかさの純粋な魂は、4歳の時点で穴の底に取り残されていたという事実は、読者に大きな衝撃を与えました。