地井武男さんは1942年5月5日、千葉県八日市場市(現・匝瑳市)に生まれました。高校卒業後に役者を志し、倍率数十倍の難関を突破して劇団俳優座養成所に第15期生として入所します。この俳優座15期生は、後に日本演劇界・映像界の中核を担う伝説の世代となりました。
同期には原田芳雄さん、太地喜和子さん、夏八木勲さん、林隆三さん、前田吟さん、栗原小巻さんら錚々たる顔ぶれが並び、「花の15期生」と称されました。地井さんはその中でもひときわ無骨で鋭い眼光を持ち、映画『海軍特別年少兵』や『戦争と人間』など骨太な作品で頭角を現します。
初期の映画作品ではアウトローや屈折した若者役で鮮烈な印象を残したものの、年齢を重ねるにつれて温かみのある父親役や包容力のある刑事役へと演技の幅を広げ、名バイプレイヤーとしての地位を不動のものにしていきました。