「夏に気温が高くなるのは、地球が太陽に近づくからだ」という説明を耳にすることがありますが、これは科学的に完全な誤解です。事実として、日本を含む北半球が最も暑くなる7月上旬、地球は太陽から最も遠い「遠日点」を通過しています。つまり、日本が猛暑に見舞われている時期こそ、地球と太陽の距離は1年で一番離れているのです。
季節による気温の変化を決定づけている真の要因は、距離ではなく「地球の自転軸(地軸)の傾き」にあります。地球の自転軸は、公転面に対して約23.4度傾いた状態で太陽を周回しています。北半球が太陽側へ傾く夏は、太陽の南中高度が高くなって単位面積あたりに注ぐ太陽エネルギーが強まり、さらに昼の時間が長くなるため地表が強く熱せられます。反対に、太陽から遠ざかる方向に傾く冬は光が斜めに差し込むため熱量が分散し、昼が短くなって気温が低下します。太陽との500万kmの距離差による影響よりも、地軸の傾きがもたらす日射角度の変化のほうが、気候に対して遥かに決定的な影響を与えています。