地上の楽園の真相とは?北朝鮮帰国事業の実態と最新裁判の行方

地上の楽園の真相とは?北朝鮮帰国事業の実態と最新裁判の行方

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戦後の混乱期、日本国内に暮らす在日朝鮮人は激しい就職差別や貧困、法的地位の不安定さに苦しんでいました。そうした社会的弱者の不安と希望の隙間に巧みに入り込んだのが、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)による大規模なキャンペーンです。

当時、朝鮮総連の機関紙や宣伝映画では、北朝鮮が「税金がなく、住居・医療・教育がすべて無料の労働者の天国」として盛んに喧伝されました。これがまさに地上の楽園と呼ばれた理由です。戦前・戦後の困窮を生き抜いてきた人々にとって、一切の生活不安から解放されるという触れ込みは、抗いがたい魅力を持って響きました。

プロパガンダの浸透には、当時の日本の言論界や革新政党、大手新聞社による好意的な報道も拍車をかけました。「社会主義の目覚ましい経済発展」を疑わずに礼賛する空気が醸成され、渡航を後押しする社会的潮流が形成されていったのです。現地の実態を誰も客観的に検証できないまま、虚飾に満ちたイメージだけが独り歩きを続けました。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。