北九州の台所として百余年の歴史を誇る「旦過市場」。度重なる火災の試練を乗り越え、力強い復興と再整備が進むこの場所には、いま再び熱い視線が注がれている。北九州市観光協会も発信する市場の活気は、単なるノスタルジーにとどまらない。
名物の「ぬか炊き」は、サバやイワシを熟成ぬか床で骨まで柔らかく煮込んだ伝統郷土料理。白米との相性は抜群で、一口含めば芳醇な酸味と旨味が舌の上で爆発する。近年では、市場で購入した新鮮な具材をご飯に乗せて自分だけのオリジナル丼を作るスタイルに加え、若手店主による創作惣菜やモダンなテイクアウト店も登場。昭和の風情を残すアーケードの下で立ち上る湯気は、街の不屈のエネルギーそのものだ。