この曲の背景には、昭和という激動の時代が生んだ哀しい歴史が存在する。もともとは、第二次世界大戦中に中国大陸(旧満州)に派遣された高知出身の兵士たちが、故郷を偲んで口ずさんでいた替え歌がルーツとされている。生きて帰れるか分からない極限状態の中で、彼らは南国の暖かい風と、よさこいの音頭を夢見ていた。
戦後、このメロディを持ち帰った復員兵たちの手からペギー葉山へと渡り、1959年にレコード化されて大ヒットを記録した。彼女の澄んだ、しかし力強い歌声は、戦争の傷跡が残る日本社会に深い癒やしを与えた。歌詞の一行一行に込められた「生きて故郷の土を踏む」という執念に近い願いが、この曲に時代を超える強度を与えている。