彼女の資産の根幹を語る上で避けて通れないのが、故スカルノ大統領との結婚と、その後の歴史的経緯である。若くしてインドネシア大統領府に足を踏み入れたデヴィ・スカルノは、かつて国家のトップの傍らで数々の外交や政治の動向を目撃してきた。大統領の政権交代や政変という苛烈な嵐をくぐり抜けた際、彼女に遺された資産や補償金、さらには海外口座へ移転された財産の規模は計り知れない。
当時の国際政治のうねりの中で確保された国家級の財産は、彼女が欧州へと渡った後の社交界活動の強力な資本となった。元大統領夫人という肩書は単なる名誉にとどまらず、世界トップクラスの富裕層へのアクセスチケットであり、その後の資産運用における揺るぎない基盤を構築したのである。