モモブトカミキリモドキが危険視される最大の理由は、その体液に含まれるカンタリジンという強力な発泡毒にあります。この成分はツチハンミョウ類などにも含まれる有機化合物で、皮膚のタンパク質を分解し、強い炎症を引き起こす性質を持っています。
体液が肌に付着すると、数時間から半日ほどの潜伏期間を経て、患部が赤く腫れ上がります。その後、線状に並ぶ水疱(水ぶくれ)やただれが形成され、まるで熱湯をかけられたかのようなヒリヒリとした灼熱痛が続きます。この症状は医学的にカンタリジン皮膚炎(別名:カミキリモドキ皮膚炎)と呼ばれ、重症化すると皮膚のびらんや細菌感染を併発することもあります。
「刺された」と勘違いされがちですが、本種が針で人を刺すことはありません。首筋や腕にとまった個体を無意識に手で叩いたり、服の中で押し潰したりした瞬間に体液が分泌・飛散し、被害に至るケースが圧倒的多数を占めます。