ネット空間で長年くすぶり続ける池江璃花子の余命宣告の真相を探ると、一部の悪質なまとめサイトやバイラルメディアによるアクセス稼ぎの手法が浮かび上がってきます。2019年2月12日、彼女自身がSNSを通じて突如として発表した池江璃花子の白血病公表は、東京五輪での金メダル獲得を有望視されていた時期だっただけに、日本社会に未曾有の動揺を与えました。
当時、日本水泳連盟および関係者、ならびに主治医の診断結果として公表された内容は「急性白血病(後に急性リンパ性白血病と判明)」であり、即時入院と集中的な治療が必要であるという医学的見解でした。この際、医療陣が「数ヶ月の命」といった具体的な余命を宣告した事実は一切ありません。それにもかかわらず、白血病=不治の病という昭和期の古いイメージや、致死率に関する一般的な医学解説が切り取られ、センセーショナルな見出しとして独り歩きしてしまったのが噂の発端です。
血液専門医の見解によれば、急性白血病は無治療であれば数週間から数ヶ月で命に関わる重篤な疾患であることは事実です。しかし、適切な化学療法や移植医療を行えば治癒を目指せる病気であり、初診時から「治療による根治(寛解維持)」が明確な医療目標に据えられていました。ネット上に拡散された余命説は、病気の重篤性とメディアの過剰な煽りが生み出した虚構に過ぎません。