やなせたかし氏が生前に得ていた年間所得について、かつて公表されていた高額納税者番付(長者番付)や出版界の取引慣行から分析すると、テレビアニメ放送が軌道に乗った1990年代以降、年収はコンスタントに2億〜5億円規模に達していたと推測されます。
一般的な作家の場合、書籍の売り上げに応じた印税が主な収入源となりますが、やなせ氏のマネタイズモデルは極めて多層的でした。絵本や児童書の増刷印税にとどまらず、アニメ化に伴う原作使用料、映画の配給収入、関連グッズの著作権使用料、さらには自ら作詞を手がけた楽曲の著作権印税まで、多角的なキャッシュポイントが毎月途切れることなく発生していたためです。
生涯を通じて蓄積されたやなせたかし氏の総資産は数十億円規模に上るとみられていますが、本人は高級車や豪邸といった派手な生活には一切興味を示さず、質素で実直な暮らしを貫き通しました。