暖房時の温風は、出された瞬間から上へと浮き上がる性質を持つ。エアコンから吹く温風を「水平」や「上向き」に設定してしまうと、温かい空気は一度も足元に届くことなく天井を這うように溜まっていく。これが「部屋の上ばかりが暑く、足元が寒くてたまらない」現象の正体だ。
ルーバーの最適な向きは、床面に向かってしっかりと角度をつけた「斜め下」あるいは「垂直下向き(60度〜70度程度)」である。勢いよく下に向かって吹き出された温風は、床面に到達した後に足元からじわじわと部屋全体へと広がり、理想的な暖気の循環を生み出す。
足元が温まると人間の体感温度は一気に上昇する。足元の冷えが解消されることで、エアコンの設定温度を過剰に上げる必要がなくなり、結果的にコンプレッサーの消費電力を劇的に抑えられる仕組みだ。