アトランタでの悔しさを糧に挑んだシドニーオリンピック2000。「最高で金」の言葉通り、圧巻の集中力で頂点へと駆け上がった瞬間、日本中が歓喜に沸いた。4年後のアテネオリンピック2004では、結婚や改名という大きな環境の変化と重圧を跳ね返し、見事に五輪連覇を達成。驚異的な連勝記録を打ち立てた強さの裏には、緻密な戦術分析と極限まで研ぎ澄まされたメンタルコントロールが存在していた。
相手の重心のわずかなブレを察知する動視力。コンマ何秒の勝機を逃さない爆発的な踏み込み。当時の指導陣が明かす舞台裏では、試合前夜であっても徹底したビデオ分析とイメージトレーニングを欠かさなかった。極限状態であっても静寂を保つ「勝負の眼」こそが、彼女を連覇へと導いた真の秘密だったのだ。