定額預金を利用するうえで、最も誤解されやすい盲点がゆうちょ銀行独自の貯金限度額です。民間銀行には預金保険制度(ペイオフ)による1,000万円+利息の保護限度こそあれ、預入そのものの金額に法的上限はありません。しかし、ゆうちょ銀行には郵政民営化法等に基づく預入限度額が定められています。
具体的には、決済用の通常貯金等に1,300万円、定額貯金や定期貯金などの定期性貯金に合算で1,300万円まで(合計2,600万円)という厳格な枠が存在します。相続や不動産売却などでまとまった資金が入り、定額貯金に1,500万円を預けようとしても、限度額超過分は預入できず、利息のつかない振替口座等へ自動移行される仕組みとなっています。
もうひとつの構造的リスクは、2026年特有の「インフレーションと金利上昇局面における機会損失」です。定額預金は預入時の固定金利が最長10年間適用されます。もし預入後に日本銀行の追加利上げによって世の中の市場金利がさらに上昇した場合、固定された低い金利のまま資金が眠り続けることになります。
「半年を過ぎれば解約して新しい高金利の定額貯金に預け直せばよい」と考えがちですが、解約から再預入までのタイムラグや、窓口・オンラインでの手続きの手間が発生します。インフレ率が年2%を超える状況下で、それ以下の固定金利に長期間預け続けることは、実質的な購買力の目減り(元本割れと同義の購買力低下リスク)を意味します。