実務で頻出するもう一つの落とし穴が「中古資産 定率法 償却率」の決定手順です。節税策として広く用いられる中古社用車や中古設備の購入ですが、耐用年数の見積もりと償却率の選定には特別な法令順守が求められます。
中古資産を取得した場合、原則として法定耐用年数ではなく「使用可能期間」を見積もって償却を行います。実務上は、国税庁が認める「簡便法」が一般的に用いられます。
法定耐用年数の全部を経過した資産については「法定耐用年数 × 20%」、法定耐用年数の一部を経過した資産については「法定耐用年数 - 経過年数 + 経過年数 × 20%」により年数を算出します(1年未満の端数は切り捨て、最短2年)。この簡便法によって導き出された新たな耐用年数に対応する償却率を、国税庁の償却率表から改めて引き直して適用します。
例えば、新車時から4年(48ヶ月)が経過した法定耐用年数6年の普通乗用車を取得した場合、計算式は以下の通りです。
6年(72ヶ月) - 4年(48ヶ月) + 4年 × 0.2(9.6ヶ月) = 33.6ヶ月 → 2年(端数切り捨てかつ最低限度2年)
耐用年数2年となった中古資産の200%定率法償却率は「1.000」です。事業年度の初月に取得して事業供用すれば、購入初年度に未償却残高1円を残して取得価額のほぼ全額を「減価償却費 確定申告 法人税」において一括償却することが適法に可能となります。ただし、期中の取得であれば事業供用月数に応じた月割り計算が必須となるため、期末ギリギリの駆け込み購入では全額損金化できない点には厳格な注意が必要です。
また、法人と個人事業主で「法定償却方法」が根底から異なる点も深刻な誤解を呼んでいます。法人の場合、何の手続きも取らなければ税法上の法定償却方法は原則として「定率法」が適用されます(建物、建物付属設備、構築物など定額法限定資産を除く)。一方で、個人事業主の法定償却方法は原則として「定額法」です。個人事業主が定率法を選択したい場合は、適用を受けようとする年の確定申告期限(3月15日)までに、税務署へ「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出し承認を得ておかなければ、定率法による償却は一切認められません。