学術論文や調査レポートにおいて、用語の定義は論理展開の成否を握る背骨です。定義が曖昧な論文は、前提条件が崩れていると見なされ、どれほど実験データが優れていても評価されません。
論文での定義の書き方には、確立された作法があります。まず、既存研究における辞書的定義や先行研究の定義を引用・整理した上で、自身の研究領域におけるスコープ(適用範囲)を明記します。「先行研究Aでは〜と定義されているが、本稿では対象を中小企業に限定するため、〜と再定義する」といった論理的なステップを踏むことが重要です。
また、一度論文内で定義した用語は、最後まで同じ意味で首尾一貫して使い続けなければなりません。途中で意味がすり替わる「概念の横滑り」は、論理破綻の典型例として査読で厳しく指摘されるポイントです。