物語の舞台は、青果売り場の片隅に取り残され、黄色く変色し始めた1株のブロッコリー。しかしミクロの世界において、その無数の房は、行き場を失った小さな虫たちや埃の精霊たちが身を寄せる最後の「約束の地(方舟)」として機能していました。過酷な乾燥と冷気に晒されながらも、命をつなぎ止めようとする住人たちの生活が情緒豊かに描かれます。
クライマックスで明かされる結末には、大きな驚きと切なさが待ち受けています。外界からの「調理」という名の不可避な終焉が迫る中、方舟は緑の胞子を一斉に空へと放ち、住人たちを風に乗せて脱出させます。自らの形を失いながらも、新たな命を未来へと解き放つラストシーンは、自己犠牲と生命の循環を鮮明に描き出し、多くの視聴者に深い余韻を残しました。