採れたてのわらびには、天然の防御物質である「プタキロシド(発がん性配糖体)」やチアミナーゼ、タンニンなどの強いえぐみ成分が含まれています。これらは適切な下処理を施すことで完全に分解・無毒化され、安全で風味豊かな食材へと生まれ変わります。基本となるのはアルカリ性の性質を利用した重曹(炭酸水素ナトリウム)によるアク抜きです。
水1リットルに対して重曹小さじ1(約3〜5グラム)を基準とし、沸騰させた湯に重曹を投入して火を止めます。そこに綺麗に洗ったわらびを並べ入れ、落とし蓋をしてそのまま常温で一晩(約8〜10時間)放置します。翌朝、水が黒褐色に変化していればアクが抜けた証拠です。その後、流水で2〜3回水を替えながら綺麗に洗い流すだけで、鮮やかな緑色と心地よいぬめりが保たれた最高の下ごしらえが完了します。
手元に重曹がない場合でも、台所にある身近な調味料で代用が可能です。最も確実なのが「小麦粉と塩」を用いた吸着抽出法です。水1リットルに対して小麦粉大さじ4、塩小さじ2をよく溶かし、沸騰させた状態でわらびを約3〜4分茹で上げます。小麦粉のデンプン粒子がわらびの表面から溶け出したアクを吸着し、塩の浸透圧が繊維を傷めずにえぐみを引き出します。茹で上がった後は冷水に浸して30分ほど晒すだけで、重曹を使わずに十分な下処理が可能です。