この分野の偉大なパイオニアといえば、自撮りおばあちゃんとして世界的に有名な西本喜美子氏を挙げないわけにはいかない。72歳で初めてカメラを手に取り、80代でパソコンによる画像編集技術を習得した彼女の情熱は、従来のカルチャーの常識を根底から覆した。
彼女が次々と発表したセルフポートレートは、瞬く間に国内外の写真業界へ巨大なインパクトを与えた。ゴミ袋に収まった姿や、愛車(シニアカー)で疾走して転倒する演技など、セルフタケ(自撮り)の域を遥かに超えた大胆な演出は、アート作品としての高い評価をも獲得している。「写真は若者やプロだけのもの」という先入観を鮮やかに打ち砕き、年齢に関係なく表現の可能性は無限大であることを証明してみせた。