黄金期の東宝特撮を牽引した二大巨匠、本多猪四郎監督と特撮の父・円谷英二監督。二人にとって、彼女は虚構の世界に「生々しい現実味」を吹き込む最高のパートナーだった。本多監督は特撮シーンの派手さ以上にドラマのリアリティを追求した人物であり、突飛な世界観だからこそ、真に迫る人間性を演じられる確かな演技派を買い買っていた。
円谷英二が手掛ける壮大なミニチュアと先進的な光学合成。その特撮技術のスケール感に負けない圧倒的な眼力と存在感を、彼女は備えていた。子供向けと見なされがちだったジャンルを、大人の観賞に耐えうる映画芸術へと引き上げた功績の一端は、間違いなく彼女の演技力にある。