各校の運命を決定づけた要因を探るべく、上位進出団体の演奏曲・課題曲と自由曲一覧、および音響アプローチの差を精緻に比較・検証します。近年、全日本吹奏楽連盟が提示する課題曲は、小手先の技術では誤魔化せない古典的書法や繊細なオーケストレーションが重視される傾向にあります。
高校A部門金賞受賞校の演奏を詳細に分析すると、代表選考の真相と決定理由として浮き彫りになったのは「ピアニッシモにおける響きのブレの少なさ」でした。大編成フル編成特有のフォルテシモの迫力に頼ったバンドは、会場の反響によって低音群の輪郭が曖昧になり、減点対象となるケースが見受けられました。一方で全国切符を手にした団体は、ホールの音響特性(残響1.8秒〜2.0秒)を計算し尽くした打楽器のタッチコントロールと、アタック後の減衰音の揃え方において群を抜いていました。