ネット検索エンジンで「東京湾観音」と入力すると、関連ワードに「解体」という不穏な言葉がサジェストされることがあります。全国各地でバブル期に建てられた巨大仏やタワー施設が放置され、解体費用や倒壊リスクが社会問題化している昨今、東京湾観音も同様の危機にあるのではないかと懸念する声は少なくありません。
報道各社の取材データや公式発表資料を精査すると、東京湾観音の解体の噂は完全な事実無根の誤解であることが分かります。噂が拡散した最大の原因は、兵庫県淡路島に存在した高さ100メートルの「世界平和大観音」が所有者不在のまま放置され、国の主導で巨額の公金を投じて解体された一連の報道です。これと同時期に関東の巨大観音像が混同され、ネット上で根拠のない解体説が独り歩きしてしまいました。
実際の東京湾観音の現在の状況は極めて健全に維持されています。管理母体である宗教法人「大坪山東京湾観音教会」のもと、定期的な耐震補強工事や外壁の再塗装、階段・手すりの安全点検が継続的に実施されています。潮風にさらされる過酷な立地条件でありながら、白亜の美しさと構造強度が保たれており、参拝客が安心して胎内巡りを楽しめる環境が整っています。