奈良時代の733年、奈良から下向した満功上人によって開山されたとされるこの古刹は、都内では浅草寺に次ぐ歴史を誇る。もともとは水神「深沙大王」を祀るための草庵から始まった。恵み豊かな湧水への感謝と信仰が根底にある。時代が下ると東国における天台宗の重要拠点へと発展し、武士から庶民に至るまで幅広い信徒の心の拠り所となってきた。
本堂の奥、緑深い木々に囲まれた釈迦堂には、国宝に指定されている銅造釈迦如来倚像(白鳳仏)が安座されている。飛鳥・奈良時代の仏教美術の傑作であり、その流麗な衣文と微笑みをたたえた表情は見る者を圧倒する。天台宗の教えが育んだ格式高さと、湧水への自然信仰が共存する独特の空気感。それが今も人々の心を捉えて離さない歴史的背景である。