吹割の滝が「危険な観光地」と囁かれる最大の理由は、水際まで遮る柵が一切ない開放的な岩盤構造にあります。一般的な滝が「見上げる」ものであるのに対し、吹割の滝は「平らな岩盤の裂け目を見下ろす」という極めて珍しい形状をしています。川底の岩肌を歩きながら間近で滝壺を覗き込めるスリルが魅力である反面、一歩足を踏み外せば激流に巻き込まれる危険性を常に孕んでいます。
事実、過去には写真撮影に夢中になった観光客や、濡れた凝灰岩で足を滑らせた人が川へ転落する重大事故が複数件発生しています。特に水流が岩盤をえぐって生じた裂け目は深さ十数メートルに及び、水勢も激しいため、一度落ちると自力での脱出は極めて困難です。こうした過去の悲惨な事例が、「吹割の滝=危険」という強烈なイメージとして定着しました。
事故防止のため、現地では岩盤上に引かれた「白い安全線」の内側のみ通行が許可されており、白線を越えた水際エリアは全面的な立ち入り禁止区域に指定されています。現地には警備員や河川監視員が配置され、危険な行為には厳しい注意喚起が行われています。ルールを守り、滑りにくい靴で舗装路と安全エリア内を歩く限り、過度に恐れる必要はありません。