数々の名作がスクリーンやテレビドラマを彩ってきた東野圭吾の映像化作品。福山雅治が湯川学を演じたドラマ『ガリレオ』や、阿部寛が加賀恭一郎を熱演した『新参者』シリーズ、木村拓哉と長澤まさみの競演で話題を呼んだ『マスカレード』シリーズなど、枚挙にいとまがありません。
映像版を先に観た人であっても、原作小説を読むことで新たな驚きに出会えます。映像では表現しきれなかった登場人物の緻密な心理描写や、文字だからこそ成立する叙述の仕掛けが、原作にはぎっしりと詰め込まれているためです。
特に『新参者』では、下町の人々がついた「優しい嘘」をひとつずつ解きほぐしていく加賀恭一郎の細やかな観察眼が、原作の繊細な文体によって一層際立ちます。映像の興奮を胸に原作を手に取ると、物語の奥行きが何倍にも広がるはずです。