ここからは、働きながら大学を選ぶ際に、多くの情報サイトが触れない「盲点」を指摘したい。それは、卒業後の出口戦略にまつわる問題だ。
まず、夜間学部や通信制大学を出た場合、新卒扱いにならないケースが多いという事実は、社会人学生にとって地味に大きい。企業の採用活動では「第二新卒」「中途採用」の枠組みで判断されるため、20代前半ならまだしも、30代以降で大卒資格を取得しても、大卒新卒と同じ土俵で戦うことは難しい。夜間学部を卒業して一般企業への就職を目指す場合、年齢と実務経験のバランスがシビアに問われることを覚悟しておく必要がある。
もう一つの盲点は、「資格取得を目的にしたのに、取得後のキャリアプランがない」という問題だ。たとえば、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を取るために通信制大学に入ったものの、資格取得後の給与水準や労働環境が厳しい現実を知らず、結局は元の仕事に戻るというケースは少なくない。働きながら大学で得た資格を「転職の武器」にするには、資格だけでなく、これまでの実務経験との掛け算でどう活かすかを入学前に設計しておく必要がある。
さらに、ネット上では「通信制大学は誰でも卒業できる」という誤解も根強い。実際には、通信制大学の卒業率は4年で50%を切る大学も多く、8年以内の卒業率ですら70%前後というのが実態だ。学習環境が整ったオンライン完結型でも、レポートの質と量を自力でこなす能力がなければ、単位は取れない。むしろ「誰にも管理されない環境での自己管理能力」が、通学制以上に問われるのが通信制大学の本質だ。