逃げ場を失ったのび太は、パニック状態でドラえもんに助けを求めます。そこで明かされたころばし屋の止め方(キャンセル方法)こそが、この道具の最も凶悪な設定でした。
ころばし屋の追跡を中断させるには、「100円玉を投入口に入れる」しか手段がありません。仕事を依頼する際の費用はわずか10円であるにもかかわらず、途中で依頼を取り消すためには10倍のキャンセル料を支払わなければならないという、極めてあくどい料金体系が組み込まれていたのです。
しかも運の悪いことに、当時ののび太の貯金箱には10円玉や5円玉、1円玉などの小銭しか残っておらず、肝心の100円硬貨が手元にありませんでした。ころばし屋は10円玉を10枚入れても認識せず、あくまで「100円玉1枚」を要求します。小銭を両替しようと外へ逃げ出せば背後から狙撃され、転倒の恐怖に怯えながら必死に100円玉を工面しようとするのび太の姿は、まさに契約社会の落とし穴にはまった被害者そのものでした。