ファンを驚かせるのが、連載初期における知られざる設定の数々だ。1970年、小学館の学年別学習雑誌で連載を開始した当初、実は黄色いボディに2本の耳を備えた姿で製造されていた。ネズミに耳をかじられ、そのショックで泣き続けた結果、黄色のメッキが剥がれて青くなり、声も枯れて現在のスタイルへと変化したという経緯を持つ。
トラウマによって耳を失い青くなったというエピソードは、一見すると悲劇的だ。しかし、欠陥や傷を抱えた存在だからこそ親しみやすく、完璧なヒーローにはない独特の愛嬌が生まれた。弱みを包み隠さず見せ、のび太に寄り添う温かみこそが、世代を超えて受け入れられる決定的な要因である。