消費者の間で根強く信じられているのが、「加熱調理すれば菌が死滅するから食べられる」という誤解です。この過信が深刻な食中毒事故を引き起こす引き金になります。
確かに、サルモネラ菌や大腸菌などの一般的な細菌は75℃で1分間以上加熱すれば死滅します。しかし、食品中で黄色ブドウ球菌やセレウス菌などの細菌が増殖する過程で生成される「細菌毒素(エンテロトキシンなど)」は、100℃で長時間煮沸しても分解されない極めて強い耐熱性を持っています。
万が一、腐敗が進んだ豆腐を麻婆豆腐や味噌汁にして加熱しても、菌そのものは死んでも毒素がそのまま残り、食後数時間で激しい嘔吐、下痢、腹痛、発熱といった食中毒症状に苦しむことになります。異臭やぬめりが出ている豆腐の加熱再利用は絶対に避けなければなりません。